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輸入車の維持費は日本車より割高なの? 同クラスの車で比較してみると……!?
輸入車パーツ買取 編集部
カテゴリ:お役立ち
「輸入車の維持費は高い」は本当か
「輸入車は車の値段以外(維持費)も高い。」
「輸入車は壊れやすいから修理が高額なんでしょ?」
そういった話を、たびたび耳にしたことはないでしょうか。
たしかに、「輸入車の維持費が高い」というのは、なんとなくイメージとして浮かび上がってきますが、本当に維持費が高いのでしょうか。
車の維持費についておさらい
車を購入した後、維持していくためには、どのような費用が掛かるかおさらいしましょう。
一般的には、以下のような費用が掛かります。
- ガソリン代
- 駐車場代
- 税金(自動車税や自動車重量税)
- 保険(自賠責や任意保険)
- 車検費用
- メンテナンス費用
車の大きさや性能などによって、これらすべての費用が変動します。
同クラスの輸入車と日本車で比較してみた
今回は、実際に似たボディ形状の輸入車と日本車を例にあげて、それぞれ維持費がどのくらいなのか、両車にどれくらい差がつくのかを比較していきたいと思います。
今回選んだ輸入車は、もっとも有名、かつハッチバックの代表車種ともいえるフォルクスワーゲンの「ゴルフ eTSI Active」。そして、比較対象の日本車は、半世紀以上世界で愛されてきたトヨタの「カローラツーリング ハイブリッド G」です。様々な側面から両車を比較して、どのくらいの維持費になるのか比較します。
今回の検証に用いるデータ
運転するオーナーの詳細情報を仮定して、より詳細に計算できるようにしてみましょう。
オーナーは、福岡県福岡市に住む30歳の男性でゴールド免許とします。4年ほど前からほかの車を所持していると仮定し、ノンフリート等級は10等級とします。
ソニー損保による「2023年 全国カーライフ実態調査」によると、年間走行距離の平均は6,791kmであるため、1年間の予測走行距離を7,000kmとします。
出典: ソニー損害保険株式会社 (https://www.sonysonpo.co.jp/auto/)
ガソリン代
日々車に乗る上で、一番維持費として気になるのが、ガソリン代でしょう。
ゴルフもカローラツーリングもハイブリッド車ですが、この両車のハイブリッドシステムには大きく違いがあります。燃費への貢献度合いでは、カローラツーリングのハイブリッドの方が優れているといえます。
それぞれのWLTC市街地モードでの燃費を見てみると、ゴルフは15.5km/L、カローラツーリングは27.8km/Lと、かなりの差が開いています。
また、ゴルフはハイオクガソリンの給油が必要ですが、カローラツーリングはレギュラーガソリンが指定されています。
年間7,000km走るとすると、ゴルフは452Lのハイオクガソリン、カローラツーリングは252Lのレギュラーガソリンが必要です。
ハイオクとレギュラーガソリンをそれぞれ170円、160円とすると、年間ゴルフは76,840円、カローラツーリングは40,320円、ガソリン代が掛かります。値段だけ見ると、2倍弱の差がありますね。
もちろん、ゴルフが持つ走行性能や車内空間の広さといった魅力を考えると、多少燃費が落ちても「それでもゴルフが良い!」と考えたくなります。
しかし、ガソリン代が2倍近く掛かるとなると、本当にガソリン代の差を埋める魅力があるのか、もう一度立ち止まって考える必要がありそうです。
駐車場代
集合住宅に住んでいる、または駐車スペースがない持ち家に住んでいる場合は、駐車場を借りる必要があります。
車によっては、駐車場の寸法を超えてしまい希望する駐車場が使えない、ということも起こりえますので気をつけましょう。
福岡県福岡市の駐車場料金ですが、郊外であれば月10,000円程度が相場のようです。大きな車でも止められたり、屋根が必要であったりすると、相場より高い料金になります。
任意保険
任意の保険の価格は、先ほど仮定したユーザーの年齢や免許の色に限らず、車種や保険が適用される範囲などによっても変化します。
なぜ車種で保険料が変化するのかというと、車種によって「どのくらい保険金が支払われるか」が変化するためです。これを「型式別料率クラス」といいます。
一般的に利用される頻度や距離が少ないといえる軽自動車やコンパクトカーより、大柄なSUVや修理の費用が高額になるスポーツカーなどの方が保険料が高くなります。
車種名 | ゴルフ eTSI Active | カローラツーリング ハイブリッド G |
---|---|---|
対人賠償責任保険 | 5 | 7 |
対物賠償責任保険 | 4 | 9 |
人身傷害保険 | 7 | 9 |
車両保険 | 12 | 8 |
両車の料率クラスを確認してみると、ゴルフよりカローラツーリングの方が車両保険以外の料率クラスが高いことが分かります。
輸入車は車にこだわりがある人が選ぶ傾向にあることから、オーナーの平均的な運転技量が高く、料率クラスが低いのかもしれません。ゴルフの方が車両価格が高いため、車両保険の料率クラスが高くなっているのにも納得がいきます。
ある損害保険会社で見積もりを行うと、年間ゴルフは41,100円、カローラツーリングは40,190円、掛かることがわかりました。この価格はあくまでも一例で、保険対象範囲や車両保険の有無で変化します。
値段だけみると、ゴルフよりカローラツーリングの方が割安であることが分かります。しかし、これには車両の価格に合った車両保険料が選ばれているため、必然的に価格の高いゴルフの方が高くなってしまいます。
例えば、購入した車に長く乗ると想定した場合、年々車両保険の保険金額は下がりますから(または車両保険を付けなくなる)、購入から時間が経過するほど、カローラツーリングよりゴルフの保険料が安くなります。
これは、先ほど紹介した「型式別料率クラス」の説明と辻褄が合いますね!
自賠責保険 (強制保険)
自賠責保険は、強制保険とも呼ばれ必ず加入しなければならない保険です。
自賠責保険は車種によらず(軽自動車を除く)同額で、記事執筆時点での価格は24ヶ月17,650円です。
基本は車検の際に更新することが多く、どの車でも変わらないためあまり気にしていない方も多いのではないでしょうか。
このブログでは、24ヶ月の費用を半分にして、1年間に掛かる費用として計算します。
自動車重量税
自動車重量税は、車重によって課税される税金です。自動車の重量500kg毎に毎年4,100円掛かります。
ゴルフは1,310kg、カローラツーリングは1,370kgのため、どちらの自動車重量税も毎年12,300円です。
車検の際に2年分を一気に支払いますが、このブログでは1年間に掛かる費用を比較しているので、両車に12,300円を加算します。
自動車税
自動車税は、車の排気量に応じて課税される税金です。
ゴルフの排気量は1.0Lであるため「総排気量1L以下」に該当し29,500円です。カローラツーリングの排気量は1.8Lであるため「総排気量1.5Lから2.0L以下」に該当し39,500円です。
自動車税は毎年5月に支払う必要があります。そのため両車には毎年1万円の差が生まれます。自動車税という面で考えれば、カローラツーリングよりもゴルフの方が有利です。
ゴルフは排気量が小さくても、ターボエンジンであるため、より大きいエンジンと同等の性能を有します。排気量を小さくすることで、巡航燃費の向上や、低回転域での加速性能、自動車税の優遇などのメリットを受けることができます。
両車のスペックを見ても、カローラツーリングよりゴルフの方が最大トルクを発揮する回転数が低いことがわかります。
カローラツーリングは、力強いハイブリッドシステムと1.8Lエンジンを組み合わせることで、全体的なバランスを取っているのでしょう。
車検費用
初回は3年後、以降は2年おきに受けなければいけない車検にも、費用がかかります。
車検は検査に合格する “だけ” なら比較的安価に済ますことも可能ですが、2年が交換目安の消耗品や、交換が故障の予防として適している部品などを交換するのが一般的です。
そのため、今回比較しているような車であれば、1度の車検で5、6万円程度の予算を組んでおくべきでしょう。これは車検時にまとめて払うことになる自賠責保険や自動車重量税を含まない価格です。
車検は2年に1回なので、今回は6万円を半分にした3万円で計算することにします。
メンテナンス費用
自動車を末永く安全に乗るためには、車検以外のメンテナンスも大切です。
2年よりも交換頻度が高いエンジンオイルやワイパーなどは、決まったタイミングでの交換が必要です。
また、2年よりも交換頻度が低い部品についても、急に修理が必要になる可能性があります。また、タイヤやエアコン、電装部品といった高額なパーツの交換に迫られる可能性もあります。
将来的に大きな修理が必要になったときに備えるためにも、少なくとも毎年3万円以上、メンテナンス費用として確保しておくべきでしょう。
ブログの冒頭でも触れましたが、一定数「輸入車は壊れやすいから修理も高額」という考えの方がいます。
難しい問題ですが、「平均的な視点で見ると大差はない」というのがひとつの答えではないでしょうか。
車は無数のパーツが合わさって完成するモノ。工業製品である以上「当たり外れ」は存在します。もちろん、大きな不具合を抱えリコールの対象になることもあります。
「当たり」の車にあたればノートラブルで手放すまで乗ることができるかもしれないですし、「外れ」の車にあたればしょっちゅう修理してばっかり……というケースもあるでしょう。
輸入車にしろ国産車にしろ、その「当たり外れ」も数十年前と比べると改善されています。これには製造クオリティの向上や、電子制御の割合の増加などが挙げられます。
1年にかかる維持費の総額は……
以上が、車の維持に関わる費用です。
では、1年間でどのくらい維持費がかかるのか、表にして見てみましょう。
車種名 | ゴルフ eTSI Active | カローラツーリング ハイブリッド G |
---|---|---|
ガソリン代 | 76,840円 | 40,320円 |
駐車場代 | 12,000円 | 12,000円 |
任意保険 | 41,100円 | 40,190円 |
自賠責保険 | 8,825円 | 8,825円 |
自動車重量税 | 12,300円 | 12,300円 |
自動車税 | 29,500円 | 39,500円 |
車検費用 | 30,000円 | 30,000円 |
メンテナンス費用 | 30,000円 | 30,000円 |
合計 | 213,465円 | 172,815円 |
ズバリ、ゴルフよりカローラツーリングの方が40,650円安い維持費になりました。
この1年間の維持費には、例えば高速道路料金は含まれていません。遠出や帰省の際に高速道路を使用する場合は、もっとお金がかかることになります。
まとめ:維持費が気になるなら保険や車種の見直しを
以上、輸入車と国産車の維持費の比較でした。この比較結果をみて、みなさんはどのように感じますか?
「思ったより輸入車でも維持費がかからない!」
「もしもの故障を見越した維持費は、どちらも高く感じる……」
などなど、様々な感想が出てくると思います。
車にどのくらいお金を掛けられるかは、その人自身の収入や、車との向き合い方によって大きく変化します。車の維持に精一杯で泣く泣く手放す……というのは、なるべく避けたいですよね。
だからこそ、自分の生活とマッチした車選びが重要です。車の維持費がどのくらい掛かるか事前に計算できれば、どのような車を選ぶかも見通しが立ちます。
維持費が気になる場合は、保険の見直しが有効です。
保険料も、無事故で等級が上がればどんどん割引率がアップします。ゴールド免許であればさらに割り引かれます。
急のつく運転は、燃費の悪化はもちろん、自動車そのものを痛めてしまいます。
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